今回は、次のポイントについて見ていきましょう
- はじめに
- 日本の子会社ではどうしてデータ分断が起こるのか
- 本当のコストは非効率だけではない
- Microsoftの仕組みでこの問題を解決できるのか
- Business Central、Power BI、Power Automateでデータをつなぐ
- データがつながると何が見えるようになるのか
- まとめ
はじめに
日本で事業を展開している外資系企業の多くでは、すでにMicrosoftの環境が整っています。財務データはERPで管理され、文書はSharePointに保存されており、Power BIによるレポートやPower Automateによる承認フローも、どこかで使われていることがほとんどです。
つまり、必要なツールはすでにあります。データもすでに存在しています。
問題は、ツールやデータはあるのに、それらがうまくつながっていないことです。
欧州や北米に本社を持つ企業の日本子会社では、同じような問題がよく見られます。データは複数のシステムに分かれ、レポートごとに数字が違い、本社からは東京の状況が見えにくくなっています。
これは技術が足りないからではありません。データや業務の流れがつながっていないことが原因です。そして、その影響は隠れたコストとなっていきます。
日本の子会社ではどうしてデータ分断が起こるのか
データの分断は突然起こるものではありません。その時々では正しかった判断が積み重なった結果、気がつくとデータが複数の場所に分かれ、全体が見えにくくなっています。
日本子会社では、日本独自の要件に対応するため、本社とは別の仕組みが作られることがあります。財務チームは日本向けの会計の仕組みを導入し、文書はSharePointで管理され、Power BIのレポートも日本のチームが作成します。
どれもその時々では合理的な判断です。しかしそれが積み重なることで、データは少しずつ別々の場所に分かれ、全体像が見えにくくなっていきます。
データの分断は、誰かが意図して作るものではありません。組織やシステムが別々に動いていたり、事業の成長に合わせて仕組みが増えていった結果として生まれます。
日本では、言語の違いや業務の進め方、コンプライアンス要件も加わるため、本社と切り離された運用になりやすく、データの分断が起こりやすくなります。
その結果、本社からは日本の状況が見えにくくなり、日本事業について適切な判断を下すことも難しくなります。
本当のコストは非効率だけではない
データの分断は、単なる不便さではありません。実際には、事業運営そのものに影響を及ぼします。
財務チームは毎月本社へ報告する数字をまとめるために、日本の会計システムやグローバルERP、Excelのレポートを突き合わせています。
こうして作られたレポートも、本社が確認する頃には数日が経過していることがあります。
コンプライアンス対応も簡単ではありません。データが複数のシステムに分かれていると、業務の効率や意思決定に影響が出るだけでなく、管理そのものも難しくなります。
日本では、個人情報保護法をはじめとする要件への対応が求められます。しかし、システムごとにデータが分かれていると、データの保管場所やアクセス履歴を把握しづらくなり、管理の負担も大きくなります。
意思決定にも影響が出てきます。日本の営業案件や在庫状況、財務データがそれぞれ別のシステムで管理されていると、マネージャーは最新の情報をもとに判断することが難しくなります。
その結果、実際のデータではなく推測に頼って判断する場面が増え、本社が考えている状況と日本で実際に起きていることの間にも、少しずつずれが生まれていきます。
2025年には、ERPや基幹業務システムの導入が日本でも広がっており、AIや機械学習への投資も増え続けています。
必要な投資はすでに行われています。しかし、ツールを導入するだけでは十分ではありません。それぞれが別々に動いている限り、データの分断は解消されず、全体像も見えないままです。
Microsoftの仕組みでこの問題を解決できるのか
幸いなことに、すでにMicrosoftの環境が整っている企業であれば、新しいシステムを導入する必要はありません。必要なのは、ばらばらに存在しているデータや業務の流れをつなげることです。
Business Centralは単独で使うERPではなく、Microsoftの他のツールと連携できるように作られています。
Microsoft 365と同じ仕組みで管理されているため、ログイン情報やデータ管理をまとめて運用できます。
これは日本事業にとって特に重要です。Business Central、Power BI、Power Automate、SharePoint、Teamsが連携できる環境がすでにあるため、データの分断を解消するために必要な仕組みはすでに揃っています。
新しいシステムを増やす必要はありません。すでにある仕組みをどうつなぎ、どう活用するかが重要になります。
Microsoftは、2026年から2029年にかけて、日本のAIやクラウド基盤に100億ドルを投資すると発表しています。
外資系企業にとっては、本社と日本で別々の仕組みを用意する必要が減り、同じMicrosoft環境を使いながら日本独自の要件にも対応しやすくなることを意味します。
Business Central、Power BI、Power Automateでデータをつなぐ
外資系企業の日本子会社では、特に効果が大きい連携パターンが3つあります。
1つ目は、Business Centralに財務データを集約することです。 Business Centralを日本向けに適設定しておけば、財務データを集約する中心として利用できます。日本の税制や勘定科目、多法人管理にも対応できるため、他のシステムも同じデータをもとに運用できるようになります。
その結果、財務チームがExcelで別管理を続ける必要は減り、常に最新の情報をもとに業務を進められます。
2つ目は、Power BIで全体像を把握することです。 Power BIをBusiness Centralと連携させることで、データをダッシュボード(状況を一覧で確認できる画面)やレポートとして見えるようにできます。Excelへの出力や手作業での集計も減り、財務状況や業績をリアルタイムで確認できます。
本社も日本側も、同じデータをそれぞれの言語で確認できます。翻訳やデータの取りまとめに時間をかける必要もありません。
3つ目は、Power Automateで業務をつなぐことです。 承認フローや文書の受け渡し、システム間のデータ連携は、Power Automateが担います。それぞれのシステムをつなぐ役割を果たすため、同じ情報を何度も入力したり、手作業で共有したりする必要がなくなります。
データがつながると何が見えるようになるのか
Microsoftの各ツールがつながることで、本社は日本の状況を把握しやすくなります。その一方で、日本側はレポートを作るための時間を減らし、実際の業務により多くの時間を使えるようになります。
たとえば、東京に拠点を持つ欧州系メーカーでは、毎月Excelで数字を取りまとめていましたが、現在はBusiness Centralと連携したPower BIのダッシュボードで確認できるようになっています。
フランクフルトのCFOは、日本の在庫や売掛金、利益率をリアルタイムで把握できます。一方で、東京の財務チームは、毎月のレポート作成に費やしていた時間を大きく減らせます。
北米に本社を持つプロフェッショナルサービス企業では、日本のBusiness CentralにあるプロジェクトデータをDynamics 365 Salesと連携しています。
これまで分かれていた情報が一つにまとまり、グローバルの営業チームは、日本の営業案件やプロジェクトの進捗を他の地域と合わせて確認できるようになりました。
共通しているのは、新しいシステムを導入しているわけではないということです。すでにあるMicrosoftの仕組みを、日本の業務に合わせてうまくつなげることで実現しています。
まとめ
日本におけるデータの分断は、単なるITの課題ではありません。本社から状況が見えにくくなることで、意思決定やコンプライアンス対応、業務効率にも影響してきます。
すでにMicrosoftの環境を利用している外資系企業であれば、新しいシステムを増やすよりも、今ある仕組みをどうつなぐかが重要です。Business Central、Power BI、Power Automateを連携させることで、日本事業の全体像をより把握しやすくなります。
必要なツールはすでに揃っています。多くの日本子会社で不足しているのは、それらをつなぐ仕組みです。
Sysamic㈱は東京を拠点とするMicrosoft Dynamics 365 Business Centralパートナーとして、欧州や北米に本社を持つ企業が、日本でMicrosoft環境をより効果的に活用できるよう支援しています。 Sysamic㈱では、日本特有のコンプライアンス要件や、日本語と英語の両方に対応したレポート、日本ならではの業務の進め方を踏まえながら、Business Central、Power BI、Power Automateの連携を可能可能とします。
もし日本事業のデータが複数のシステムに分かれ、全体像を把握しづらくなっている場合は、お気軽にご相談ください。 info@sysamic.com へメールもしくは contact form here こちらをクリック.

